其の1カツオブシとF1
組み立てラーメン(*1)という言葉を知ってまっか?多分、知らんやろ。ちゅうか、それはワシの作った造語で、皆さんの知る由もないというほうが正解やな。そんでこれから約1年にわたり、ラーメンや食べもんのことをウッタラウッタラ書いていこうと思うてまんねんけど、連載のいっちゃん最初にあたって、ラーメンとは何ぞや?的な、大上段から述べる究極のラーメンうんぬんだけをくっちゃべりたいわけではないことだけは、はっきりここで言うときます。
さて、皆さんはラーメンをつくったことがありまっしゃろ。で、それはたぶんインスタントラーメン(*2)の類ですわな。けどこれはこれで馬鹿にしたもんやおまへん。インスタントラーメン・・・特に最近のんはそこそこどころかあえて言うとキョウーレツの旨いもんがおますな。その一方で、昔からあるワンタンメンやら、サッポロ一番やら、カップヌードルが、けしてまずいとか古いとかではなく、まったく別な意味でやはり旨いとしか形容しようがない、新旧あわせてこれぞ近代日本食文化を代表する食べもんになってます。
で、そのつくるという作業なんですけど、つくるにも、作る、造る、創る(言葉遊びにならないよう気をつけますが)、漢字に変換するとこの3つが出てくるんですわ。(作と造の違いはつくるものの大小やから)要するにラーメンに関しては作ると創るとがあるわけですな。インスタントラーメンは当然、“作る”わけでありまして、まかり間違っても“創る”わけではない。袋を開けて、部品(材料)が入ってて、設計図(調理解説)があって、お湯を沸かして、適当に出来上がり。ま、我々の少年時代のプラモデル作り(*3)のようなもんで、要するに組み立てるだけで見事に実物の何分の1かの心掻き立てるスーパーカー(*4)なり、飛行機なり・・・、即ち見るからに食欲をそそるラーメンが出来上がるのであります。それが私の言う組み立てラーメンですわ。
では、ラーメンを創るとはどういうことなのか?作るだけでエエンちゃうの?等々いろんな突っ込みをお聞きしながら、皆さんに色濃く食のことを問うていきたいわけであります。当然お金のことも絡めてでっせ!!そんなん問われんでえぇという方はあんまり面白くないので読まんとってください。
果て、世に数多あるラーメン屋さんは、ラーメンを“創って”いるのか、“作って”いるのか。うむ、誤解されるとあかんので、あえて書きますがワシは“創る”のが偉くて、“作る”のがいけないなどというつもりは毛頭おまへん。心血注いで創ったラーメンより、そこいらの大手メーカーの市販もしくは業務用スープ・食材を適当にアレンジして組み立てたラーメンのほうがおいしい、なんてことはしょっちゅう聞く話ですわ。話は横道にそれるんやけど、ほたら、うどん(*5)はどうなんやろか。乱暴な言い方、決め付けかもしらんが、美味しいうどんはすべて“組み立てうどん”と言っていい。これは、さっき言うたことと重複するんやけど、創る・作るで考えたら、完成された食文化であるうどんは、生半可な創作やアイデアを寄せ付けない程の完成度、分厚い土台を持っているちゅうこってすわ。守るべき調理技法、使うべき材料、それがすべて味に直結していること・・・それこそが食の文化なんやと思います。
ではラーメンは?うむ、やはりというかなんというか、当然、歴史の面から(日本のラーメンが日本独自の食べもんや(*6)として)見てもうどん程の完成度は無いわけであります。喩えて言うなら日本舞踊とパラパラ(*7)くらいの違いがあるかもしれん。しかし、大昔のうどんがそうであったように、ラーメンには様式美または安定した美味しさに代わって余りある、自由な発想による美味探求の楽しみがあります。当に、食文化へと脱皮するこの道中こそがワシのラーメンに対する最大の好奇心をそそられる“創る”ということなんですわ。
(*1) そこいらのラーメン屋、ラーメン専門店、ほとんどこれです。
(*2)ラーメンとインスタントラーメン、似て非なるもの。ラーメンは国民食。
(*3)昔は年玉もろたらプラモ屋行って、正月の間ズーッと作ってたもんです。
(*4)「サーキットの狼」で、当時の小学生全員、クルマにいってまうわけですわ。
(*5)ええ麺と、ええカツオ節でとったダシ・・・。他はなにもいらん。
(*6)その源流は中国かもしれんけど、やはり日本の独自のもん。
(*7)日本舞踊てものごっつセクシーや、ある意味。でもパラパラも好きです。
|